國學院大學文学部講演会を開催
令和8年(2026)年5月23日、渋谷キャンパスで國學院大學文学部講演会が開催されました。
今回の講演会は「『詩経』の本義を求めて」と題して、國學院大學元特別専任教授の川合康三・京都大学名誉教授を講師に迎えて開催され、学生や一般の方などが参加しました。
川合氏はまず「詩経」について、もともとは音楽・踊りとともに口頭で唱えられていた歌詞がどのように文字に書き写された詩が、武帝の時代に儒学の基本経典である五経の一つとされ、「詩経」と呼ばれるようになったと説明しました。詩経は経典化されたことにより、以降の時代で詩の規範とされたものの、実は詩経そのものが非常に自由で多様であることが興味深い点であるとし、「儒教の規範に縛られていたはずの詩経の中に、多様で豊かな文学の姿を見ることができる」と話しました。
また、詩経の本義について、「儒学者の朱熹が『虚心平看』といったように、先入観を持たずに素直な気持ちで詩を見れば、詩の意味が分かってくる。学問をしていると実証的であることや意味や意義を求められる傾向もあるが、詩はもともと遊びであって、もっと楽しみながら読むことができるのではないか」と語りました。

詩経以降の時代には、基本的に支配者階級である士大夫に書き手が限定されていくと説明。詩経には素直で豊かな愛情が描かれ、強く生き生きとした女性像が表現されていた一方で、士大夫の立場からうたった詩では、女性から男性への愛情を表す言葉が無く、詩の豊かさが乏しくなっていったと説明しました。
講演後には質疑応答の時間が設けられました。詩の解釈について質問を受けた川合氏は、「古代の習俗を踏まえながら詩を読み解くといった方法もあるが、そうでなくても詩を読むことはできる。自由に、自分なりに詩経を読んでみてほしい」と語りました。