令和7年度特別講座 「正倉院の筆が伝えるもの-奈良時代からのメッセージ-」を開催
令和8(2026)年3月7日、渋谷キャンパス学術メディアセンター1階常磐松ホールで、エクステンションセンター主催の特別講座「正倉院の筆が伝えるもの-奈良時代からのメッセージ-」が開催されました。
本講座は、宮内庁正倉院事務所により、平成28(2016)~令和元(2019)年度に実施された「正倉院宝物特別調査(筆)」の成果を社会に還元し、正倉院宝物を起点として、広く日本文化への興味・関心を誘い、理解を深めることを目的として開催され、同調査に携わった宮内庁正倉院事務所長の飯田剛彦氏、前宮内庁正倉院事務所長の西川明彦氏、特別調査調査員の藤野雲平氏(筆師・攀桂堂十五世)、荒井利之氏(文教大学非常勤講師)、日野楠雄氏(本学非常勤講師)、橋本貴朗・文学部教授が講師として登壇しました。
1講目は、「正倉院の概要と歴史」と題し、飯田氏が正倉院の歴史的背景や宝物の管理体制について説明し、続いて、「正倉院の文房具」をテーマに西川氏が筆や墨、刀子といった文房具に関する調査結果や有芯筆に使用されているうさぎの毛の構造などについて解説しました。
3講目は、「正倉院筆(有芯筆)の構造と製造-実演をまじえて-」をタイトルに日野氏と藤野氏が筆の作り方を実演し、筆の構造や特性について語ると、4講目は、「有芯筆の機能と表現効果」と題して、荒井氏が有芯筆の書の特徴や筆圧などについて講演し、有芯筆は紙の芯による強い弾力性があるため、抑揚の変化をつけやすいことなどを説明しました。
最終講演では、橋本貴朗・文学部教授が「正倉院の筆と書跡から中国書法を見直す」と題して、有芯筆で書かれた文字を比較しながら詳細に解説を行いました。
会場には250人を超える聴講者が参集し、講演終了後には展示された有芯筆や有芯筆で書かれた作品の数々を鑑賞しました。
