設置校News
國學院高等学校
出雲研修
神話や日本文化に興味のある生徒を対象とした出雲研修を、12月17日(水)から2泊3日で実施しました。
文化の伝承や出雲神話について、事前講義で学んでいた生徒たちですが、実際に現地を訪れるのは初めての生徒が多く、当日を心待ちにしている様子でした。
【1日目】
飛行機とバスを乗り継いで出雲に到着したのはお昼頃でした。出雲大社前の神門通りでは出雲そばなどの名物を堪能し、最初の見学地である稲佐の浜へ向かいました。
朝の時点では大雨で心配しましたが、次第に天気が回復し、雲の切れ間から青空ものぞくようになりました。「国譲り神話」の舞台に立った生徒たちは、『古事記』の世界に思いを馳せていました。
続いて参拝した出雲大社では、出雲大社権宮司の千家和比古先生と、現地ガイドの川島芙美子先生にお会いし、日本最古級の神社建築様式や信仰の意味について丁寧にご説明いただきました。
【2日目】
田和山遺跡では弥生時代の祭祀や集落の様子を知り、八重垣神社・鏡池ではスサノオ神話と日本人の信仰心のあり方に触れました。
また、山代二子塚古墳、西谷墳丘墓、大念寺古墳では、当時の出雲地方に強い指導者層と高度な社会構造が存在していたことを実感しました。
風土記の丘資料館や弥生の森資料館では、神話・地名・考古学資料が結びつき、出雲の歴史を立体的に理解する学びとなりました。
山中に静かに佇む神魂神社では、「神は自然の中に宿る」という日本独自の信仰観に触れ、生徒たちは厳かな空気の中で日本文化の根底を感じ取っていました。
【3日目】
荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡では、大量の青銅製祭器が発掘された当時の様子について学びました。わかりやすい解説を受けながら、本物の銅剣を目の前にした生徒たちは興奮を隠せない様子でした。
研修の締めくくりとして訪れた島根県立古代出雲歴史博物館は、今年改修工事のため休館中でしたが、特別にご案内いただきました。展示物の解説だけでなく、博物館のバックヤードについても教えていただき、普段は見ることのできない光景に生徒たちは興味津々でした。
今回の研修を通して生徒たちは、歴史を「考え」、文化を「感じる」学びを体験しました。
現地に立ち、風景を見て、言葉を聞き、自らの頭で考える――こうした経験は、今後の学習だけでなく、生徒一人ひとりの人生観にもつながっていくことでしょう。
この3日間で、出雲の人々が大切に受け継いできたものや、神話と歴史のつながりを深く理解することができたようです。
今年も多くの方々のご協力のもと、大変充実した研修となりました。心より感謝申し上げます。
今後も出雲の皆様とのご縁を大切にしていきたいと思います。