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140年の学統を守り、次代を担う人材育成を進める

創立140周年 学校法人國學院大學・佐栁正三理事長に聞く【前編】

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学校法人國學院大學 理事長 佐栁 正三

2022年11月4日更新

 学校法人國學院大學は今年創立140周年を迎える。これまでの法人の歩みや節目を迎えたことへの所感、今後の法人経営について佐栁正三理事長に聞いた。

――今年、國學院大學は創立140周年を迎える。今の思いは

 140年にわたり学統を守り抜いてきた先人たちの苦労のもとに今日があると思っています。私は昭和43年に本学に入職して以来、戦後の本法人の経営を牽引してきた6人の理事長に仕え、國學院大學の歴史や学統を守ることの大切さを直接聞いてきました。法人は明治15(1882)年に創立された皇典講究所が母体ですが、終戦直後は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による神道指令(昭和20年)などで、存続の危機に陥った時期もあります。

 当時の皇典講究所、本学の役員・教職員をはじめとする関係者が教育機関としての存続のために奔走し、昭和23(1948)年に新制大学として再出発を果たします。140年にわたり学統を守り抜いてきた明治、大正、昭和、平成の先人たちのご苦労のもとに今日があるということを等しく知らねばならないと考えています。学校経営においては「財政なくして大学なし」という言葉がありますが、学統を守ることを肝に銘じ法人経営にあたっていきたいです。理事長という立場はこれまでの歴史や建学の精神を伝える役目もあると考えています。そして法人傘下の発展と充実を第一に法人経営を進めていきます。

佐栁理事長が本学事務局に入職した昭和43年頃の渋谷キャンパス

――少子化が加速し、学校法人を取り巻く状況は厳しさを増している。法人としての強みをどう生かし、課題解決を進めていくか

 18歳以下の人口減少には危機感を持っています。理事会が主導しながら対策を立てていかねばならない問題です。新学部開設もその一つで以前から若手職員を中心にキャンパスの有効活用を模索する勉強会を重ねてきて実現したものです。

 たまプラーザキャンパスに平成21(2009)年に人間開発学部を設置し、令和4(2022)年に観光まちづくり学部を開設しました。今春開設した観光まちづくり学部は、独自の歴史や文化、自然を有する地域を見つめ、多様な側面から地域に貢献する人材を育てることが狙いです。過疎化や人口減少が進む地方で社会や文化の衰退に歯止めをかける人材を育てます。

 既存の学部のブラッシュアップも必要です。これまでも行ってきたことではありますが、よりスピード感を持って取り組むために理事者や学部長と協議していきます。

 高大連携も強化します。本法人傘下校には國學院高等学校と國學院大學久我山中学・高等学校が、系列校として学校法人國學院大學栃木学園がありますが、加えて全国に協定校を広げたいと考えています。他大学でもM&Aを進める動きが出てきています。系列校や協定校との関係強化は経営政策の重要事項と考えております。

 一方で、課題もあります。一環教育を行う法人として小学校が欠けていることは長年の懸案事項です。時間はかかるかもしれませんが、設置に向けて前向きに取り組みます。(つづく

 

 

 

 

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