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神道文化学部主催 「衣紋講座(第1回)」を開催

 神道文化学部では、毎年、衣紋講座を開講しています。コロナ禍前は、実際に装束の着装を体験してもらっていましたが、コロナ禍により、衣紋講座は中止となっていました。今年は、装束の着装を披露する形式ならば感染のリスクも少ないと判断し、実施することになりました。
 全3回実施し、それぞれ別の装束を披露します。
 装束は、院友神職会のご協力によるものです。

 令和4年10月16日(水)に行われた第1回は、観月祭の直前ということで、舞楽装束を紹介しました。受講場所は祭式教室、説明担当は神道文化学部の小林宣彦准教授が担当しました。
 当日は約30名の学生が参加しました。その他に、萠黃会の学生が衣紋など協力してくれました。

 

受講生の様子

 まず、舞楽の説明をしました。舞楽というのは、「舞のともなった管弦」を意味します。舞楽と言っても、日本固有のものと、アジア大陸から伝わったものと二種類があります。
 アジア大陸から伝来した舞楽は、楽器を奏する楽曲です。
 一方、日本固有の舞楽の特徴としては、歌謡が中心であり、これに楽器を付け合わせている、という点が挙げられます。つまり、声楽が重要であり、こうした舞楽を「謡物(うたもの)」と言います。国風の歌に、和琴・和笛・笏拍子とともに、篳篥(ひちりき)も伴奏楽器に加えられます。
 今回紹介した人長舞(にんじょうまい)は、日本固有のものです。歌謡名は其駒(そのこま)といいます。その歌詞の内容は、神の乗り物の駒を歌って、惜別の情を表した歌と言われています。人長舞は、御神楽(みかぐら)に分類されますので、其駒は神楽歌ということになります。
 御神楽は、古例に従うと、庭上で舞い、庭燎を焚き、夕刻から暁まで続きます。人長舞の名前の由来は、神楽人の長が舞うところからきています。

 

着装と解説の様子

 人長舞の装束の説明は、着装をしながら行いました。
 冠(かんむり)、大口(おおくち)、糸鞋(しかい)、表袴(うえのはかま)、単(ひとえ)、下襲(したがさね)、裾(きょ)、半臂(はんぴ)などの後、袍(ほう)の説明もしました。
 人長舞の袍は、青摺衣(あおずりのころも)を用います。青摺衣とは、青摺(=山藍の葉汁)で文様が描かれた衣です。神事用の小忌衣(おみごろも)と同じ意味の衣です。斎戒には、大忌(おおみ)と小忌(おみ)とあります。大忌が散斎(あらいみ)、小忌が致斎(まいみ)にあたり、小忌のほうが厳重な斎戒となります。小忌人は、斎戒を厳重にし、服装も神聖な衣を着用します。その神聖な衣が小忌衣です。
 さらに、石帯(せきたい)、太刀(たち)、平緒(ひらお)、帖紙(たとうがみ)、檜扇(ひおうぎ)、笏(しゃく)の説明の後、採物(とりもの)としての輪賢木(わさかき)の説明もしました。
 輪賢木は、円い細長い白木を、まん円く曲げた輪が賢木の枝につけてあるものです。この輪は、鏡を象ったものとも、賢木を下に置く台とも言われています。

 受講生の皆さんは、メモを取りながら熱心に受講していました。

 國學院大學には、人長舞の他にもさまざまな舞楽装束がありますので、また別の機会に紹介・解説したいと思います。

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