神道文化学部主催 第8回「和歌講座」を開催
令和3年12月11日(土)、3限~5限の時間帯で、120周年記念2号館2303教室において神道文化学部主催の第8回「和歌講座」を開催しました。
この講座は、院友神職会から頂戴している学部教育補助費を活用し、平成24年度より実施している講座の一つです。今回で8回目の開催となりますが、令和2年度はコロナ禍のために実施することができなかったため、2年ぶりの開催となりました。募集を開始すると多くの申し込みがあり、今回は23名の学生が参加しました。
講師をお務めいただいたのは、これまでにも和歌講座をご担当くださり、本学の科目「和歌をまなぶ」でもご指導をいただいている、歌人で作家の田中章義先生(第36回角川短歌賞受賞、本学兼任講師)です。
最初の時間は、現代と比較的近い時代に活躍し、学生にも馴染みの深い幕末の志士たちの和歌が取り上げられ、まずは和歌を味わい、鑑賞するところからスタートしました。続いて、感性の拠り所としての土地を詠み込んだふるさとの歌に触れ、「歌枕」について学んだ後、さっそく「自身のふるさと」というテーマで実作にチャレンジしました。
各自の詠んだ歌を田中先生がお目通しくださり、そのうちの数首を2限目の冒頭に参加者全員で共有し、作者自身の歌に込めた思いを聞いたうえで鑑賞を行いました。さらに、家族の歌や近現代の短歌などについて講義がなされた後、今度は「家族」という題材で実作が行われました。
最後の時間となる3限目は、先ほど詠んだ和歌の鑑賞から始まり、豊臣秀吉や徳川家康といった戦国武将の歌の鑑賞を通じて、和歌の史料的な価値と探究の意義を学びました。そして、教室の外に広がる夜の帳が下り始めた空を眺めながら、日本に存在してきた多彩な「色」の表現について学び、最後は自由なテーマで各自が和歌の実作に臨みました。
23名という多くの学生が参加し、日頃より和歌に親しんでいる経験者から、人生で初めて和歌を詠んだという者までその熟練度は様々でしたが、どの参加者も非常に意欲的で、31文字を通じて、先人の思いや自らの思いと真摯に向かい合っている姿が印象的でした。
お忙しいなかご指導をいただきました田中先生に、あらためまして心より感謝を申し上げます。