結び目 〜久我山祭「巨大アート」に思う〜
2020年11月26日
今、本館校舎の南の壁面には、「祭り」の余韻というには勿体ないほどの巨大アートが出現し、行き来する者の目を楽しませてくれています。
その製作の過程といよいよ展示という段階での苦労がうかがわれるこの作品の「裏側」に回りこんでみますと…
7×7の49クラスがそれぞれに担当する部分を仕上げ、最後につなぎ合わせて完成を見た合作であることがよく伝わってきます。
その結び目は念入りにして縦に横に糸を紡ぐようにして、強固な絆をもって一枚の「巨大絵」を創出していました。
今は昔、現在の生徒たちは知るよしもない、10年ほど前のこと。
秋口から猛威をふるった「新型インフルエンザ」の影響から、やむなくこの年の「久我山祭」は「中止」となりました。長い学校の歴史の中で、前例のないことだったのではないでしょうか。それほど、この時の感染拡大は、このたびの新型コロナウイルスに匹敵する脅威であったのです。
その2009年の幻のポスターがこちらです。
二羽の「不死鳥」が互いに「共鳴」しあって神々しいまでの光を放っている見事な高校2年生による作品でした。
そんな辛い経験から、まさに「不死鳥」のごとく、その翌年には…
久我山祭は再び、「結」(ゆい)をテーマに蘇りました。
「阿吽の呼吸」で互いに力を「結集」し、その前年の分まで晴らすような「金剛力士」の力強さをもって2010年の久我山祭は盛況に催されたのでした。
あれから、ちょうど10年。
新型コロナウイルスによる感染拡大防止の観点から、その他のさまざまな行事が見送りとなるなか、あえてこうした状況だからこそできる文化の祭典はないかと模索して実施に漕ぎ着けた初の「オンライン久我山祭」。
この巨大絵の「結び目」は、はるか10年前の「先輩方」の思いともしっかり紡ぎあっているように感じられた今日の昼下がりでした。