令和2年 年頭所感
140年、150年と続く法人であるために
庚子年の新春を迎え、謹んで御祝詞を申し上げます。
昨年は、御代替わりを迎え「令和」という新しい元号となりました。本法人においては大学の陸上競技部が出雲駅伝で優勝したほか各方面で学生たちが活躍し、加えて國學院大學久我山高校の野球部が28年ぶりに甲子園に出場し初勝利を収めるといったうれしいニュースが続き、実り多い一年となりました。
教育研究業界を取り巻く環境としましては、中央教育審議会が平成30年11月26日付で公表した「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」で学習者本位の教育への転換を教育研究機関に求めており、日本私立大学連盟は、法人のガバナンスの強化と健全性の向上を目的とし「私立大学ガバナンス・コード」(令和元年6月25日公表)を策定しています。このように高等教育機関として目指すべき姿が明確となったいま、本法人としましても経営力の強化に取り組み、教育、研究がどうあるべきか、構成員一人ひとりが考え、実行していかなければなりません。
明治22年1月10日、時の司法大臣山田顕義伯は、皇典講究所所長就任にあたり、教職員に対して「諸君は乞食をしても、この事業を成し遂げる覚悟があるか」と戒めています。私自身も初心にかえり、今一度この言葉を胸に覚悟を持って事業に取り組んでいきたいと思います。
本年は、干支の1番目になります。干支において「子」というのは本来、「し」と読み、これは植物が子孫を増やすために成長し始める「孳」を意味しているとも言われています。これにならい、原点を見つめなおし、140周年、150周年と本法人の遺伝子を持った有為な人材を一人でも多く社会に排出できるよう「オール國學院」の精神で邁進する所存でございます。引き続き、ご指導ご鞭撻の程、何卒、宜しくお願い申し上げます。 本年が皆さまにとってよりよい一年となりますよう祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
2020年1月
学校法人国学院大学理事長
佐栁正三