萬葉の花の会を開催
令和8(2026)年9月9日、たまプラーザキャンパスにて第32回萬葉の花の会が開催されました。萬葉の花の会は、植物を通して『萬葉集』に親しみ、『萬葉集』を通して日本の自然や文化を理解することを目的に、年に一度開催している公開講座です。
開会にあたり、辰巳正明会長(名誉教授)は、悪天候や台風を乗り越えて来場した参加者への感謝や、30年以上続く本会の歴史、重陽の節句に触れつつ、野球のカウントコールから着想を得た五七調のリズムや萬葉の歌の構造について語り、「台風を忘れて本日の講座を一日楽しんでほしい」と挨拶しました。

午前の部では2つの講演が行われ、上野誠・文学部教授が「橘を讃える」と題して、『萬葉集』における橘の歌と大伴家持の評価や政治的背景について解説しました。続いて、大石泰夫・文学部教授が「萬葉のこころ―大伯皇女の悲しみ―」と題して、『萬葉集』の歌や左注から読み解く歴史的背景と人々の思いについて解説しました。
昼食時には、『萬葉集』に登場する食材を用いた弁当が提供されたほか、『萬葉集』に詠まれた約150種の草花を植栽している「萬葉の小径」の散策が行われ、参加者は『萬葉集』の世界を味わいました。
午後の部では、辰巳会長と渡邉卓・研究開発推進機構准教授が「奈良とは何か―日本の基層文化を考える―」をテーマにそれぞれ講演を行った後、対談を行いました。対談の随所にユーモアを交え、会場は和やかな雰囲気に包まれました。

閉会にあたり、佐栁正三理事長は、萬葉の小径を教職員とともに手探りで作ってきた歩みや、AI時代だからこそ日本人の心を大切にしたいという思いを語りました。また、新元号案にまつわる秘話も披露し、ボランティアで支えてくれた講師や職員、そして参加者への感謝とともに「来年もぜひお越しいただきたい」と述べ、盛会のうちに終了しました。