福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館と相互連携及び協力に関する基本協定式が行われました
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館と國學院大學は、相互連携及び協力に関する基本協定を3月13日に締結しました。本協定に関する締結式が4月8日に國學院大學渋谷キャンパスで行われ、福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の小野正敏特別館長、本学の針本正行学長ら関係者が出席しました。
同館では、北陸新幹線福井・敦賀開業記念特別展Ⅱ 戦国大名朝倉氏 武威の煌めき「馬駆ける戦国の庭」の関連行事として、5月18日に「加冠の儀」の歴史再現催事を実施する予定です。「加冠の儀」の再現にあたっては、本学神道文化学部が平成20(2008)年より行っている「加冠式」の知見や経験、学術資産などを活かし、協力を行います。今後、成人を迎える方を儀式参加者として一般募集し、当日は伝統的な装束を着て、足利義昭が朝倉館へ訪問したのと同じルートで、朝倉館まで行列し、館前広場で儀式を行う予定です。
▼協定書に示す連携及び協力事項
1.朝倉氏の歴史と遺跡の特徴を活かした資料調査、分析研究に関する事項
2.歴史儀礼の再現に関する事項
3.地域の振興に係る効果的、持続的な遺跡の活用に関する事項
4. その他、事業遂行のために連携及び協力が必要な事項
▼福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館・小野正敏特別館長コメント
一乗谷朝倉氏遺跡では、50年以上にわたり発掘調査・整備が続けられてきました。今回の協定は、戦国時代の城下町全体が遺跡となって残された唯一無二の価値を持つ当遺跡の保存と活用を両立させながら、一乗谷の特色を活かした事業を行っていくための新たな試みとなります。
戦国時代の足利将軍の加冠の儀式を再現するということは、全国でも初めてのことであります。一乗谷は、足利義昭が滞在した御所・安養寺跡や、御成の儀式を行った朝倉館跡の建物配置が発掘調査によって明らかになっており、どのようなルートで御成したのか、館のどの部屋でどんな調度品が飾られて儀式が行われたかなどがわかっており、歴史研究と考古学研究がリンクして再現できる稀有な場所といえます。
遺跡の特色を活かした歴史再現は、各地で行われている時代行列などとは異なる発信力を持つものと期待しています。
▼本学・針本正行学長コメント
5月18日に一乗谷朝倉氏遺跡朝倉館前広場で「加冠の儀」の再現催事を実施するにあたり、基本協定に基づき、國學院大學神道文化学部が平成20年度より開催してきた「成人加冠式」をもって歴史的儀礼の再現に協力するというお役をいただきました。國學院大學わけても神道文化学部の学術資産を発信できる場をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。
一乗谷は戦国時代に朝倉氏が拠点を置いていたところであり、400年の時を越えて発掘された、歴史的に重要な遺跡であります。日本の中世史学研究をかけがえのないものとする國學院大學にとっても意義のある学術資産と思量されます。私も機会をみて、ぜひ「現代によみがえる城下町」を訪問させていただきたいと考えております。
本締結にご尽力をいただいた皆さまに深く感謝申し上げるとともに 「協定締結」を契機として、福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館と國學院大學との絆が深まり、今後、連携・協力に掲げた事項の進展が図られることを祈念しております。