大学院入学式挙行、入学奉告祭、オリエンテーション開始、教職員辞令交付
新年度初日となった4月1日、國學院大學でも新入生、教職員らが新たなスタートを迎えました。渋谷キャンパスでは、大学院入学式をはじめさまざまな行事が行われました。
[大学院入学式]
大学院入学式は百周年記念館の記念講堂で挙行されました。今年度は、115人(再入学含む)の学生が、博士前期課程および後期課程に入学しました。
針本学長は「人工知能(AI)の急速な進歩の中で、社会構造・就業構造の変化が不可避になっている。人文社会学研究についても、人間の思考に近い汎用型AIとどのように対峙するのか、これまでの研究とどのように繫げることができるのかという問題が付きつけられ、人間の知の営み、人間の内実が問われている。近世の国学者たちは、万葉集や古事記、日本書紀といった古典を通して日本の姿を考え続けた。情報技術革新により、デジタル化資料をはじめ当時より容易に資料が入手できるようになっているが、現物・原典に触れることで研究者は実感を持ち、これまでにない研究を思考してきたのではないか。新入生の皆さんには、AIを利活用した分析・検証をするとともに、現物・原典資料を基にした分析・検証という実感、実証の学問実践も期待したい。既存の学問知に敬意を払いながらも時に抗い、自らの見解を提示することを期待したい」と式辞を述べました=写真。
続いて、佐藤長門・大学院委員長(文学部教授)が祝辞を述べ「皇典講究所初代所長の山田顯義(あきよし)伯は、吉田松陰が開いた松下村塾に最年少の満13歳で入ったが、性質愚鈍などと称されるほどだった。松陰は山田伯の元服に際し、『100年でも一瞬のことだから、無駄な時間を過ごさないように』という趣旨の言葉を送った。山田伯は松陰の言葉を胸に勉学にいそしみ、明治維新後はナポレオン法典に出会い初代司法大臣となり、皇典講究所に国史・国文・国法を学ぶ國學院を創立した。山田伯の人生を俯瞰すると、努力の持つ無限の可能性に驚くとともに、興味・関心と教育内容が合致したときの相乗効果を認めない訳にはいかない。皆さんは、その山田伯が設立した本学の大学院へ自分の意志で入学してくれた。皆さんが選んだ道を我々は全力でサポートする。ともに学んでいこう。皆さんの精進に期待している」と新入生を激励しました。
最後に、新入生代表が「昨今の文系学問への風当たりは厳しい。大学の統廃合や教員の削減、研究者の減少などの現状がある。文系学問は理系学問に比べ、実益がないという認識があるが、社会を作るための学問が文系学問だと考えている。先行研究に敬意を払いつつ、多角的に検証し、新たな課題を立て、データを収集し、根拠を求める文系学問の姿勢は、正しい情報も正しくない情報も否応なく入ってくる現代には必要なものだ。文系学問を通じ、人類が過去にどのような価値観を持ち、どのような社会を作り上げ、どのような遷移を経て現在に至るのか明らかにすることで、未来に向け‘人類はどう生きるべきか、どのように社会を作るべきか’の指針を示すことができる。AIをはじめとした科学技術の発展が著しいからこそ、文系学問が必要だ。研究分野や研究対象は違えど、研究に臨む者としての自覚と、自らが携わる学問への矜持を持ち、周囲の方への感謝を忘れずに研究に尽力することを誓う」と宣誓の言葉を述べました。
[入学奉告祭]
午前10時から入学奉告祭が執り行われ、佐栁理事長や針本学長をはじめとする法人傘下校の役教職員とともに、今年度の新任教職員や昇格や異動となった教職員が参列しました。祭典では、法人傘下校全体で約4,400人が新たに入学し、勉学に励むことを奉告しました。
[オリエンテーション開始]
明日の入学式を前に、新入生オリエンテーションが開始されました。本日は、学生証の交付やコンピュータガイダンスなどが行われました。新入生たちが早速、新たな友人たちと会話する様子や、大学公認部会・サークルの部員たちが新入生を勧誘する様子などでキャンパスは賑わいを見せていました。
[教職員辞令交付]
新任や異動となった教職員の辞令交付式も行われました。新任、昇格、異動となった教員および課長職以上の職員は、針本正行学長から辞令が手渡されました=写真。課長補佐以下の職員には、仙北谷大学事務局長から辞令が手渡されました。