神道文化学部主催 「観月祭」を開催
神道文化学部主催「観月祭」が令和5年10月29日(土)に行われました。
観月祭とは、供物を献じて十五夜の満月を鑑賞する「中秋観月」に由来するもので、本学では平成22年10月に初めて斎行され、今年で13回目を迎えました。
観月祭には、準備や実行など、裏方として、舞台設営や献花、装束の着付け、ポスターや栞の作成にいたるまで様々な面で多くの学生が主体的に携わっています。雅楽の演奏や神楽・舞楽を行うのも学生です。それぞれの稽古には、小野雅楽会などの先生方のあたたかい指導をいただいております。また、祭典斎行にあたっては、院友神職会から多大なるご支援をいただいております
当日は二部制のもと、第一部の観月祭奉告祭では、國學院大學の神殿にお祀りしている大神様をお招きし、楽や舞を行うことを奉告いたしました。
第二部の奏楽では、まず管絃を行いました。曲目は、双調音取、武徳楽、酒胡子、胡飲酒破です。
管絃
胡飲酒破
管弦に続いては祭祀舞です。祭祀舞とは祭典にて行われる舞のことで、神楽とも呼ばれております。舞を舞う際には、様々な願いが込められた歌を歌い、和琴や篳篥(ひちりき)、笛といった楽器を奏でます。
豊栄舞
初めに披露された豊栄舞は、昭和25年に作曲・作舞されました。太陽や自然の恵み、神様そのものに感謝する舞です。
次に浦安の舞を行いました。昭和15年に、神武天皇即位紀元2600年を祝って作られ、昭和天皇御製「あめつちの 神にぞ祈る あさなぎの 海の如くに なみたたぬ世を」に、当時の宮内庁楽部の楽長・多忠朝(おおの ただとも)が曲と舞を付しました。
世の平和を願い、人々が波風のたたない穏やかな気持ちで無事に過ごせるように、という意味が込められています。
祭祀舞に続いては舞楽です。大陸から伝わってきたとされる舞楽には「左方」と「右方」があります。左方は大陸から伝来したもの、右方は半島から伝来したものとされます。また、舞人の装束にも違いが見られ、左方は赤などの暖色系、右方は青などの寒色系の色が使われていることも見どころです。
はじめは、右方の登殿楽。4人舞で、ゆるやかに舞うことが特徴の一つです。
登殿楽
萬歳楽
次に左方の萬歳楽を行いました。唐の国では、素晴らしい皇帝の治世には鳳凰がやって来てさえずるという故事に因んで作られ、平安時代から舞われていたおめでたい曲です。
月の光も清々しく、天候に恵まれた今年の観月祭。短い時間ではありましたが、澄んだ雅楽の音色と美しい舞人の姿に、会場は宮廷の雅な世界に誘われたかのようでした。