第24回「狂言の会」を開催
令和5(2023)年12月5、6日に、「狂言の会」がたまプラーザキャンパスで開催されました。今回で24回目を迎える本イベントは、院友(「昭36卒、69期文)で人間国宝の山本東次郎氏をはじめとする大蔵流一門の至芸を間近で見られる機会ということで、毎年多くの応募をいただいています。
[12月5日(1日目)]
初日となる6日は、午前と午後の2部構成で行われました。
午前の部は、たまプラーザキャンパス周辺の山内小学校、新石川小学校、元石川小学校、美しが丘小学校の6年生約350人を招き開催。はじめに、太田直之副学長(人間開発学部長・たまプラーザキャンパス長、教授)が「伝統芸能から日本文化を学ぶと同時に、現代にも通じる笑いを感じ取ってください」と挨拶。続いて、国語の教科書に大蔵流の「柿山伏」が掲載されていることから、同演目が披露されました。鑑賞後は、狂言での姿勢や動作、発声方法などを舞台上で体験する場も設けられ、小学生たちは伝統芸能の一端を体験しました。参加した小学生は、「狂言は歩き方や喋り方などの表現が独特で、1つ1つの動きに見入ってしまいました」と感想を教えてくれました。
午後の部は、抽選に当選した約300人を対象に『磁石』『節分』『船渡聟』の3つの演目が披露されました。演目中には時折、笑い声が起こるなど、参加者は鑑賞を楽しんでいました。演目終了後は、山本東次郎氏から演目の解説も行われ、最後に小舞が披露されました。
[12月6日(2日目)]
東次郎氏による舞の披露
2日目の題目は、『二人大名』『月見座頭』『棒縛』で、会場には初日と同じく約300人が来校しました。
『二人大名』では、都に遊びに行く2人の大名が、通りすがりの男性を捕まえ、無理やり刀を持たせ家来のように扱い、腹を立てた男性がその刀で大名を脅かして仕返しをするさまがユーモラスに描かれました。
『月見座頭』では、十五夜の夜に、盲目である座頭が月を見ることができない代わりに、虫の音に耳を澄ませ楽しんでいるところに男が現れます。座頭と男は歌を詠むなどして宴会を楽しみ別れますが、男は「いまひとつの慰みに」と引き返すと、別人のふりをして座頭を突き飛ばします。倒れた座頭は、「先ほどの人と違い情のない人間だ」と嘆き終幕。人間の持つ二面性を描いた演目に、観客は引き込まれていました。
『棒縛』では、酒を盗み飲む家来2人に手を焼く主人が、出かける際に2人の手を棒に縛るなどして酒を飲めないように手だてを講じます。何としても酒を飲みたい家来2人は協力して縛られたまま酒宴をはじめますが、最後は主人に見つかり叱られます。あの手この手で酒を飲む家来の滑稽な姿に、会場は笑いがあふれました。
演目後は、初日と同じく東次郎氏による解説と舞の披露が行われ、解説の際には参加者からは質問が寄せられ、東次郎氏が質問に答えるなどの交流が持たれました。最後は東次郎氏へ司会を務めた学生から花束を贈呈すると、会場は大きな拍手に包まれました。