神道文化学部主催「鎮守の杜とこれからの共生社会を学ぶ」を実施しました
今日、日本の地域社会は、少子高齢化・人口減少や頻発する災害に直面し、その持続可能性が課題となっています。その中で、地域づくりの担い手を育て、環境保全や災害対応の拠点ともなりうる存在として、神社、鎮守の杜の役割がつとに注目されており、現代社会に即応した取り組みもさまざまになされています。
神道文化学部ではこのたび、そうした取り組みを進めている団体のひとつである、「一般社団法人 第二のふるさと創生協会」に協力を仰ぎ、神道文化を学ぶ学生たちが、自然と共生する森づくりの現場でのフィールドワークを体験することを通じて、自らの将来像を描くための手がかりを得る機会を提供することとしました。
令和5年10月21日(土)午前8時に、10名の参加学生と2名の引率教員(黒﨑浩行学部長と松本久史副学部長)が渋谷キャンパスに集合し、バスに乗って千葉県君津市の内山緑地建設「きみつのさんぽ道」を目指しました。
到着後、第二のふるさと創生協会事務局長の高橋知明氏と、林学博士で「里山ゼロベース」というプロジェクトを提案している西野文貴氏と合流し、午前中は座学でお二人の講義を聴きました。
昼食を済ませた後、西野氏の案内で植物観察を行いました。森を歩きながら、神社にゆかりのある植物を観察し、解説をうかがいました。
その後、圃場に移動して、「鉢上げ」という作業を体験しました。今年7月に宮城県の神社で採集されたスダジイの実がバットの中で発芽していて、これを1本1本、ビニール製のポット(鉢)に植え替える作業です。この苗は、1年から1年半後に植樹ができるまでに育つとうかがいました。
最後に、君津市清和市場に鎮座する諏訪神社に参拝し、石井昭平宮司から講話をいただきました。8月26・27日に行われる例大祭、12月5日に行われる「ししきり祭(御狩祭)」について資料をまじえて説明していただき、令和元年台風19号による被害と復旧、少子高齢化・人口減少の中での神社の維持や地域の伝統文化継承のご努力を学びました。
この研修で一人一人が体験し、学んだことを形に残し、次へつなげるために、参加者によるリポート集を作成しているところです。神道文化学部では今後もこのような研修を継続し、発展させていく方針です。