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2021年11月8日更新

KOKUGAKUJIN #2

私を成長させてくれた、良い本と恩師との出逢

Q 子供の頃は、どんなお子さんでしたか?また、どのような夢を持っていましたか?

 子供の頃から本を読むのが好きでした。幼稚園の頃は、昼寝の時間などに母に本を読んでもらっていました。アメリカの発明家イーライ・ホイットニーの伝記は、何度も読んでもらった記憶が鮮明に残っています。今でもその本は手元にあるんですよ。小学校に入ってからは、学校の図書館から童話や冒険小説などを借りて読んでいました。家には父の本もたくさんあったので、子どもには少し難しい本も時々読んでいました。今に至るまで本が好きで、純文学からエンターテイメント、ミステリー、SF、ハードボイルドなど様々なジャンルの本を読んでいます。本に浸っている時間は、一番幸福な時間です。
 想像力を働かせる読書が好きだったことも一因だと思いますが、空想的な子どもでした。小学生の頃、月に行く空想科学小説を読んで、宇宙の星々のことを知りたい、行ってみたいと思いながら、火星や金星はどんな世界なのだろうと想像していました。今、最新の科学で宇宙の謎を解明するテレビ番組をやっています。その番組を見ていると子供の頃の夢を現実として見ることができるので、とても楽しいです。

Q 思い入れのある本、読み返した本は何ですか?

 家には、1,000冊以上の小説があります。活字に対する信仰、本への畏敬の念があるというか、どんな本も捨てることはできません。中から一冊の本を選ぶのは難しいのですが、青春時代、本当の文学に接して感銘を受けた本はフランスの作家ロジェ・マルタン・デュ・ガールの「チボー家の人々」です。これは高校時代、古典の先生に勧められて読んだ純文学の作品です。第一次世界大戦時代のある名家の兄弟を中心にした物語です。私はこの本で、戦争、人の悲しさ、そして希望ということを教わりました。私にとって掛け替えのない大切な一冊です。

Q 大学生時代は、どんな学生生活を送りましたか?

 大学時代は、國學院大學で法学を学びました。3年生になって選んだゼミは刑法でした。刑法を選んだのは小説が好きだったことが大きな要因です。小説は、人間の心、人間とは何かということを描いています。大学2年生の時、裁判の判例を学び刑法が扱う犯罪も人間の本質を映し出している部分があると強く感じました。人間に興味があることが刑法ゼミに入った理由です。
 刑法ゼミで一生の恩師である澤登俊雄先生に出会えたのは、私にとって大きな財産です。國學院短期大学部で法学を教え、今、学長として働いているのは、澤登先生のおかげですし、先生から様々な教えを受けたことで、それまでの自分の価値観は大きく変わり、モノの見方や考え方が広がりました。理念的な先生で独裁的な権力を嫌っていましたから、法学部の教員採用に純粋な公募制を採用するなどを実践していました。そんな先生の姿を見て、私は人間としても成長させていただいたと感じています。

Q 平野学長が現在取り組んでいること、これからチャレンジしてみたいことはありますか?

 今、短期大学部では大学への編入学に力を入れて教育を行っています。
 これから少子化がますます進んで短期大学は厳しい時代に入って行きますから、次のステージへの扉を開く必要があります。そのステージがどのようなものか、まだ定かに見えていないのですが、例えば北海道の滝川という立地を活用して大学とコラボレーションした教育の施策は出来ないかと個人的には考えています。また、新しいステージへ進んでいくために中堅世代の先生方と一緒に中期計画などを策定しています。先生方とこうした作業を一緒にすることで同じ方向を向いて短期大学部の進むべき道を探って行きたいと考えています。
 プライベートでは、学長を退いた後、好きな本を存分に読んだり、幼い孫と遊んだり、妻と旅に出たいと思っています。

Q 平野学長が大切にしている信条は?

 一番好きな言葉は、「イマジネーション、想像力」です。想像する力が人間には一番大事なのではないでしょうか。学生時代、法学部のあるサークルが文化祭で原発の危険性に関する展示を行いました。当時、私はその展示にさほど興味を持たなかったのですが、東日本大震災で福島の原発事故を見て、あの展示を行った学生たちは原発の危険性をリアルに感じていたのだなと改めて思いました。彼らの原発に対する想像力に感銘しました。原発だけでなく、様々な面で想像力は大切です。それは、幅広く、深い思考力の源泉です。小さい頃から色々な本を読んで、文字からイメージを広げていたことも「イマジネーション、想像力」が好きな言葉になった根幹にあるのだと思います。

Q 平野学長が考える國學院らしさ(KOKUGAKUJIN)とは?

 明確な答えは無いのですが、学生時代のゼミの同期生や後輩たちと話をしていると「自由な気風」「責任感の強さ」「他人の価値観を認める」「真面目」、これらを感じる時があります。これは澤登先生の影響が大きいのでしょうね。今の國學院の学生たちにも真面目さや責任感の強さを感じます。この辺りが國學院らしさだと思います。

平野 泰樹

國學院大學北海道短期大学部 学長

広島県出身
國學院大學法学部卒業
1982年4月より國學院女子短期大学(現國學院大學北海道短期大学部)に専任講師として着任し、1993年に教授。2017年から2019年まで副学長を務め、2019年4月に学長に就任。現在に至る。

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