綱 章良 | KOKUGAKUJIN | 学校法人國學院大學 | 法人サイト

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2024年12月20日更新

KOKUGAKUJIN #17

昔も今も、勝っても負けても「自己責任」。

Q 子供の頃は、どんなお子さんでしたか?

 子供の頃は「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉が流行していて、野球選手に憧れていました。小学校の3年生から6年生まで、生まれ育った港区三田の軟式野球チームに所属し、野球を楽しんでいました。監督は近所の商店街の板金屋のおじさん。僕のポジションはピッチャーとキャッチャー以外はどこでも。打順はクリーンアップ以外。6番を打っていたことが多かったのですが、足が速かったので、時には1番を任されました。
 中学に入学して、入ったのはもちろん野球部。ただ残念なことに1年の2学期で野球部が廃部になってしまったんです。その時に理科の先生に誘われて剣道部に入部しました。入部1週間後に港区の剣道大会の個人戦に出場しました。自分でも驚いたのですが、3位に入賞したんです。剣道の楽しさ、勝利の嬉しさを体験してからのめりこむようになりました。3年生の時には団体戦に先鋒として出場し準優勝。結果以上に、団体戦の選手に選ばれたことが嬉しかった。今でもあの喜びを忘れることはありません。

Q 高校・大学時代は、どんな学生生活を送りましたか?

 高校は國學院高等学校へ進学しました。その頃も野球が好きだったので野球部に入部しようと考えていました。入学早々のある朝、國高へ進学していた中学時代の剣道部の先輩に出会い、剣道部への入部を強く誘われました。そして、その日の放課後から剣道部に入部。卒業するまでの3年間、高校時代は剣道に熱中する毎日でした。団体戦で大会に出る際は必ず先鋒を任され、僕の場合、打ち込む技は面一筋です。剣道部で培ったのは体や技だけでなく、心の鍛錬が大きかった。試合の際、負けた相手がいるのだから勝っても喜ぶな。負けたのは己の練習不足のせい。勝っても負けても「自己責任」。この自己責任の精神を師範や先輩たちから教わりました。
 練習では実家近くの三田警察署の剣道場へも週に一度通っていました。高校卒業後も警察の剣道場に時々通い、大学2年生の時に三段の段位を取ることが出来ました。
 当時好きだった勉強は日本史です。特に雅で美しい感じがする奈良・平安時代に強い興味を持っていました。休み時間などは、周りの級友たちが予習や復習で教科書を広げる中、僕は好きな時代小説を読んでいました。チャンバラ物が中心でしたけどね(笑)。今でも時代小説が好きで、本を広げない日はありません。
 剣道以外では球技大会の印象も深く残っています。大会では野球の試合に出て、初めてピッチャーを経験しました。僕たちのクラスは見事に優勝です。剣道と同じくらい野球も大好きでしたから、球技大会は本当に良い思い出です。
 当時の國學院高等学校は、規則がとても厳しかったんです。どちらかというと硬派な校風でした。級友たちは休憩時間も教科書を広げているような真面目な人が多かったです。僕は例外でしたけどね(笑)。
 大学は桜美林大学の経済学部へ進学しました。学外の東京文化史学会という学会にも所属して考古学を学びました。大学の勉強よりも学会の古墳調査に没頭する毎日でした。利根川沿いの古墳群で測量し土壌を調べ、発掘方法を検討して、実際に発掘するという4年間を過ごしました。
 アルバイトでもさまざまな経験をしました。ウルトラマンショーのアルバイトもしていて、僕は「帰ってきたウルトラマン」や「ウルトラマンエース」に入って日本全国を回り、デパートの屋上などで怪獣退治をしていたんです。(笑)

Q 綱さんはどのようなお仕事をされているのですか?

 大学卒業後は千葉県教育委員会への就職を推薦されていたのですが、父が経営する飲食店の後を継ぐ必要に迫られ、父の友人の紹介で「銀座鳥ぎん」で飲食業の修行を積むことになりました。入った当初の仕事は見習いとして、掃除や鍋磨きです。その後、肉の切り方、肉の刺し方、焼き方などの調理を学び、ホールでの接客も覚え、飲食業の一通りを学びました。3年後に異例の“のれん分け”で「日比谷鳥ぎん」を開店して今に至ります。
 嬉しいことに店には今でも國高時代の友人たちが来てくれます。剣道部、柔道部、アメリカンフットボール部など、いろいろな運動部の同級生たちが集まって日比谷鳥ぎんで旧交を温めています。

Q 國學院高等学校時代の経験がお仕事に役立っていることはありますか?

 先程申し上げた「自己責任」。それと「我慢」ということです。一緒に働く仲間、足を運んでくださるお客様、この仕事では毎日様々な人と接します。そこには良いことばかりがあるわけではありません。「我慢」が必要な時もあります。何があっても、人のせいにせず「自己責任」で仕事をしています。これは剣道部時代の厳しい練習があったからこそ育まれた心です。

Q 個人として大切にしている信条は?

 座右の銘は「感謝」です。家族、出会った先生、先輩、同期の友人、後輩、店に関わる人たち全てに「ありがとう」という気持ちを持って接しています。店で一緒に働く人たちにも、仕事と共にこの「感謝」の気持ちを伝えていければと思っています。

Q 綱さんが考える國學院らしさ(KOKUGAKUJIN)とは?

 國學院高等学校のイメージですが、僕の時代は「我慢」、今は「自由」ということでしょうか。もう一つ、これはずっと変わらない気質だと思うのですが「真面目」だということです。僕自身は少し違うかもしれませんけど(笑)。

綱 章良

銀座鳥ぎん日比谷店 店主

東京都出身
國學院高等学校 昭和46年度卒業

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