中村 彰伸 | KOKUGAKUJIN | 学校法人國學院大學 | 法人サイト

SEARCH

cat = kokugakujin

result = kokugakujin11

newsDetail =

post_type = kokugakujin

is_home
is_single1
is_page

2023年6月30日更新

KOKUGAKUJIN #11

教員は、本当に恵まれた職業だと感じます。

Q どんな子供時代を過ごしましたか?

 茨城県で育ったので、子供の頃は近くの野山で昆虫を捕ったり、山イチゴを摘んだりして遊んでいました。家にいるよりは外を走り回っている活発な子供でした。
 小学校時代の思い出深い出来事は、一年生の時に書いた詩が学校で優秀賞に選ばれたことです。自分の体験を書いたのですが、賞を頂けたことは思いがけなく、今でも詩の内容と共に喜ぶ親の姿を鮮明に憶えています。
 中学時代は卓球に熱中しました。当時は夏の大会で勝ち進むことを目標にして練習に励みました。教員になってからも部活の顧問に就いたり、最近はご無沙汰なのですが自ら試合にも出場しています。当時の仲間とは今でも親交があり、ゆうに50年を超えるつきあいの友人になっています。

Q 子供の頃、どのような夢を持っていましたか?

 子供の頃の夢の一つはプロボクサーになることでした。中学生の時だと記憶しているのですが、テレビでボクシングの試合を観ていたんです。日本人同士のタイトルマッチでした。15ラウンド闘い終わって、先程まで殴り合っていたボクサー同士が抱き合って健闘を称えあったんです。その姿が新鮮で、感動して、プロボクサーを夢見たことがありました。
 プロになるためではないのですが、大学の体育の授業ではボクシングを選択しました。初めてボクシングをやってみて、とにかく楽しかった。大学への通学途中にボクシングジムがあって、ガラス越しに練習するボクサーたちの姿が見えるんです。そのジムの門を叩こうかと迷うことが何度もありました。今でもジムに入ってボクシングを習いたいと思うことがあります。
 もう一つ夢がありました。それは今の仕事である教員になることです。私が生まれる前、母は小学校の代用教員をしていました。幼い私に自分の教員時代の話を度々してくれたんです。子供たちと接する楽しさや絆の強さを教えてくれました。その頃から漠然とですが私も教員になることを夢見るようになりました。高校は國學院高等学校に進学して、教員を目指して勉強していたのですが、当時、國學院大學には英語の教員免許を取得できる学科がなかったため、大学は早稲田大学の教育学部英語英文学科に進学することにしました。

Q 大学生時代は、どんな学生生活を送りましたか?

 大学時代は勉強のかたわら父の仕事の手伝いを中心に、家庭教師やビアガーデンのウェイター、ホテルの厨房など様々なアルバイトをしていました。カラオケセットを販売するアルバイトは売れた時の報奨金が凄く良かった(笑)。
 当時の一番の思い出は教育実習です。初めて教壇に立った時の喜びとやり甲斐は今でも忘れることができません。今振り返ってみると、國學院高等学校での教育実習の経験が、一度は歩みを止めた教員への道に、私を再び戻してくれたのだと思っています。
 というのも、大学卒業後は、兄が創業した会社が忙しくなり始めたため、教師ではなく兄の会社に就職することにしました。ただ、教員になる夢がどうしても諦めきれなくて、英語教育をより深く学ぶために大学の専攻科へ1年通いました。専攻科は夕方からの授業なので、兄の会社の仕事の後に、大学へ通う日々を過ごしました。
 専攻科を終了した翌年に、國學院高等学校から非常勤講師として教鞭を取らないかとの連絡がありました。会社の仕事と両立できるように学校が便宜を図ってくれて、非常勤で生徒たちに英語を教えるようになりました。1年後に専任教員になり、今の私に繋がっています。初めて担任を持った時の喜びはひとしおでした。その頃の教え子たちとは今でも時折逢うことがあります。母が話してくれた子どもたちとの絆の強さを実感しています。
 実は娘もかつては高校教員として教壇に立っていました。私が母の話で教員を目指したように、娘も父親の背中を見て育ったようです。

Q 校長先生が現在取り組んでいること、これからチャレンジしてみたいことは何ですか?

 本校の生徒たちが礼儀正しく真面目だということを、あらゆる場所で耳にします。先日もオーストラリアへの海外語学研修の際、飛行機のキャビンアテンダントの方に「礼儀正しい生徒さんたちですね」とお褒めの言葉を頂きました。これからも、國學院高等学校のアイデンティティを守りながら学校を継続していき、あらゆる面でもう一段高い所を目指していきたいと思っています。
 コロナが少し落ち着いてきたので、以前のように戻したいという「学び」もあります。例えば生徒が参加するホームステイや海外大学での研修などはコロナ前の形で実現したいと思っています。
 英語に携わってきた立場から言うと英検(英語検定試験)に挑戦する生徒を増やしていきたいです。今年、卒業した3年生は準1級の取得率が10%を超えました。海外研修制度などと立体的に組み合わせながら、英検取得者をさらに増やしていきたいと考えています。

Q 校長先生が大切にしている言葉は?

 「志」という言葉が好きです。幼い頃に歌ったり聴いたりした唱歌「故郷」3番の「志を果たして いつの日にか帰らむ 山は青き故郷 水は清き故郷」が心に沁みます。今聴くと野山を走り回った子供の頃を思い出します。

Q 校長先生が考える國學院らしさ(KOKUGAKUJIN)とは?

 礼節と基本を大切にする。それがKOKUGAKUJINだと思います。それは國學院高等高校に通っていた私の時代から変わることの無い國學院らしさです。

中村 彰伸

國學院高等学校 校長

茨城県出身
早稲田大学教育学部出身
1982年4月より國學院高等学校専任教員として着任し、2010年に副教頭。2019年から2022年まで副校長を務め、2023年4月に校長に就任。現在に至る。

up