國學院大學について
建学の精神
明治維新の際、わが国の急務は、まず、世界の先進国に追いつくことであった。欧米諸国の思想、文化、体制の導入を急ぐあまり、欧化万能の風潮が日本全土を覆い、日本古来の思想・文物が顧みられない状態となった。
しかし一方、わが国が独立を全うし、国家の発展を将来に期するためには、思想も文化も体制も、単に欧風の模倣でなく、わが国の歴史・民族性に基づくものでなければならないという気運が興り、國學院大學の母体である皇典講究所は、このような反省の気運を背景として、明治15年に創立された。
11月4日の開黌式当日、有栖川宮幟仁親王は、初代総裁として教職員・生徒に対して、次のような告諭を述べられた。
「凡學問ノ道ハ本ヲ立ツルヨリ大ナルハ莫シ故ニ國體ヲ講明シテ以テ立國ノ基礎ヲ鞏クシ徳性ヲ涵養シテ以テ人生ノ本分ヲ盡スハ百世易フベカラザル典則ナリ而シテ世或ハ此ニ暗シ是レ本黌ノ設立ヲ要スル所以ナリ」
國學院大學建学の精神はこの告諭の「本ヲ立ツル」ことを基底としている。
元学長芳賀矢一博士作詞の校歌は、この精神を正しくうたい、この建学の精神こそ、本学の学問研究・人間教育を特色づけるものである。
告諭
皇典講究所假建設成ル
茲ニ良辰ヲ撰ビ本日開黌ノ式ヲ行フ
幟仁總裁ノ任ヲ負ヒ親シク式場ニ臨ミ職員生徒ニ告グ
凡學問ノ道ハ本ヲ立ツルヨリ大ナルハ莫シ
故ニ國體ヲ講明シテ以テ立國ノ基礎ヲ鞏クシ徳性ヲ
涵養シテ以テ人生ノ本分ヲ盡スハ
百世易フベカラザル典則ナリ而シテ世或ハ此ニ
暗シ是レ本黌ノ設立ヲ要スル所以ナリ
今ヨリ後職員生徒此ノ意ヲ體シ夙夜懈ルコト無ク
本黌ノ隆昌ヲ永遠ニ期セヨ
明治十五年十一月四日
一品勲一等有栖川幟仁親王
学校法人國學院大學寄附行為
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